性格が悪い人の正体

あなたは性格が悪い人に遭遇したことはありますか?

そしてその性格が悪い人によって、傷つけられたことはありますか?

 

 

YESと答える人はかなり多いと思います。しかしそれはその人の性格が悪かったから傷ついたというわけではありません

では人はどういう瞬間に、その人の性格が悪いと評価してしまうのでしょうか?

今回はその原因を分析していきたいと思います。

 

 

 

まずは"性格が良い人"とは、どんな人か。

 

性格が良いという評価はポジティブで良いイメージを与えるかもしれませんが、そう評価した当人の思考は実に残酷です。

 

それはなぜか。

人は自分にとって都合が良いと思った人に対して、"性格が良い"と評価するためです。

 

つまり、自分が思ったときに、思った通りに言葉や行動を起こしてくれた人に満足感を得られ、その人に対して好感を示すわけですね。

性格が悪いということ以上に、性格が良いというのは主観的で、身勝手な評価を下してると言えるでしょう。

 

待て待て、例えばある施設や団体に大金を寄付したり、対価なしに人に手助けできる人は性格が良いのではないか?

そういう評価の仕方は主観的ではないだろう。と考える人がいると思います。

 

しかしそれも100%主観です。社会的に自ら貢献できることは善という、社会が作り上げた風潮、雰囲気でしかありません。

その雰囲気にその人の価値観が合わさっただけなので、決して客観的な良い評価とは言えません。

 

 

 

性格が悪い人

 

では逆に性格が悪いと評価するのはどんなときでしょうか。

全人類に共通することですが、人は悪口を言われたり批判されたり、自分の価値観を否定されると怒りや悲しみを感じます。

そして、自分に対してそういった行いをしてきた人のことを"性格が悪い"と評価します。

また、そういったネガティブイメージのある言葉を、人は次の3つの方法のいずれかを使って他人に発します。

 

①本人に直接批判する

②本人には言わず第三者に批判を告げ、それが巡って自分の耳に届く

③無意識に考えを発言したことが、結果としてその人を傷つけている

 

どれも心当たりがあると思います。順番に解説します。

 

①本人に直接批判する

ある意味最も感情と行動が一貫している方法といえるでしょう。

この方法を取る人はとりわけ合理主義的であり、決断や結果を重んじる傾向にあります。

また強い自信を持っており、メンタルが適度に安定しています。

 

②本人には言わず第三者に批判を告げ、間接的に本人に伝わるようにする

特に女性の間で起こりがちなのですが、いわゆる噂話やゴシップといったものです。

この方法を取る人はメンタルが弱く、他人から批判されることを極度に嫌います。

批判する相手に敵対するというよりも、共通の敵を作って味方を作ろうとする行動といえるでしょう。

 

③無意識に考えを発言したことが、結果としてその人を傷つけている

これは本人は相手が傷つく言葉でないと思っていても、結果としてそれを聞いた相手は傷ついてしまっている、という状態です。

言った本人には悪気がないため、その後のコミュニケーションの仕方が非常に重要となってきます。

 

主にの性格は相反しており、この両者がお互いのことを性格が悪いと評価することが多いです。

のタイプはのタイプに対して、言いたいことがあるなら面と向かって言え、卑怯者。と思い、

のタイプはのタイプに対して、人でなし、その場の空気の読めない自己中。と思います。

 

はより複雑です。一見は最初に発言した側の問題かと思われますが、実際はその後の受け手の行動で良し悪しが左右します。

そもそも言った方は悪気がないわけですから、相手を傷つけたという事実すら認識していません。

このとき受け手は相手に対して、「あなたのその発言は私にとっては傷つく言葉だった」と言うべきなのですが、多くの場合は堪えて隠そうとします。

 

のパターンに陥ったときには、次の2つの状態が満たされた場合にのみ、円滑なコミュニケーションが構築されます。

 

A. 受け手は自分が傷ついたという事実を正直に伝える。

B. それを聞いた送り手は、その事実を素直に認め謝罪する。

 

しかし、自分の立場を守るためなのか、特にBができない人が多くいます。

傷ついた事実を知った後に、開き直って逆ギレしたり、自分の考えを正当化しようとしたりします。

また、そうなる可能性を受け手は強く危惧するため、素直に打ち明けるという行動が取れなくなります。

つまり双方が歩み寄らなければ、改善しないコミュニケーションとなるわけです。

 

 

 

本当に"性格が悪い人"は、他人の性格を評価しようとする人である。

 

ここまでの観点から、いわゆる性格が悪い人というのは、他人の性格を良し悪しで判断してしまう人ということになります。

性格がいい人という判断→自分にとって都合のいい人

性格が悪い人という判断→自分に対して批判をしてきた人

となり、どちらも主観による身勝手な評価ということになります。

 

しかし人の性格は、その人の育ってきた経験や環境、人間関係、健康状態などによって常に変化し続けています。

そのためある瞬間にはとても良い人に見え、ある瞬間はとても嫌な人にも見えるふうに、誰もがそうなっています。

 

もし(この人は性格が悪いなあ)と感じたときは、一旦立ち止まって改めて考えてみましょう。

その人は何故その発言をしたのか、なぜその行動を取ったのか。

たまたま嫌なことが続いて苛立っていたのかもしれない。寝不足でご飯もろくに食べられていなかったのかもしれない。

といったように、自分にも起こりうる状態を想定してみましょう。

もしあなたが誰かの性格が悪いと感じたときは、あなたも周囲の誰かから性格が悪いと思われている可能性も充分にあります。

 

 

 

性格が悪いと評価する人は決まってメンタルが不安定である

 

自分に対する批判ならまだしも、自分とは一切関係ない他者に対して、性格が悪いと評価する人もたまにいます。

例えば、芸能人の不祥事や友達や周りの人のトラブルを耳にし、その人の人格を評価したりします。

 

そういった世間の声が気になるのは、その人自信がコンプレックスとして普段恐れているものだからです。

周りからの自分の評価が気になるわけですね。

そうした自分に向けられる視線を気にしすぎるあまり、メンタルが不安定となり、思考の幅が減り、

物事を良いか悪いか、正義か悪かなどといったように、物事を二極化させて考えがちになってしまいます。

 

もしこれを読んでるあなたにその心当たりがあれば、まずは自分の性格の良いところ、悪いところの両方を受け入れてみましょう。

人の性格は多様なので、自分の多様な性格すべてを認められれば、他人の多様な性格もすべて寛容できるようになるはずです。

 

人というのは善悪で決められないほどグレーなものばかりです。グレーなものはグレーなまま受け入れてみてはいかがでしょうか。